私は、大きな組織が苦手です。自分がなんの仕事をやっているのかわからないし、全員が他の人がやってくれるからと思って少しずつ手を抜くからです。

 例えば、私が所属している組織では決裁を回すと、約5分程で返ってきます。上司二人の決裁をもらため、中身を確認していたらそんな時間で返ってくるはずはありません。そして、私も上司が中身を確認していないことを知っているのに、決裁が終わると安心しています。

 実際には、上司がチェックしていないことを知っているのにです。

 これは、上司の決裁を取ったことにより、自分が全ての責任を取らなくても良くなったと感じているからです。

 しかし、本来、決裁を取るか取らないかに限らず、自分が受けた仕事は自分の責任であるはずです。それを分かっているはずなのに、私は安心しているのです。

 同じように、決裁を押す時に上司も安心していると思います。それは、私が後輩の決裁をする時、後輩が書類をまとめて決裁に回してきてなら少なくともミスは多くないだろうと考えている時があります。

 そして、自分がイチから書類をまとめる時よりも、チェックが緩くなります。

 大きな組織で仕事をする時、ミスがあってはいけないという配慮から何重のチェックシステムを作ります。しかし、このことがモラルハザードを起こし、各個人の仕事の質を低下させるのではないかと思います。実際、私もそれを体験しました。

 ミスを防ごうと思い作ったシステムが強固であればあるほど、時間が経てばシステムは形だけが残り、中身を見ずに運用されているケースが多いです。

 戦後、復興のために作られた制度が功を奏し、高度経済成長を迎えたおかげで、制度の形だけが残っている弊害が日本の社会システムを蝕んでいるのではないかと考えています。