こんにちは^ ^おつー先生こと大島鶴枝です。
先日、朝のHRであっちゃんが、新ブランド『カール・フォン・リンネ』の香水が作りたいよねとおしゃった際、ツイッターやTV配信コメント欄などで、皆様が『大島鶴枝』を思い出してくださったこと。
嬉しくて、涙が出そうになりました。香水=私と、皆様が思ってくれたことだけで、もう大満足。私にとって、最高の出来事でした。
そして、『香水を作る』というワードに、プログレスの皆様の志の高さに触れることもできました。
そう、人工香料で作る香水ではなく『アロマ香水』を作って欲しいというお声が高かったという事実。
これには、本当に驚き、プログレスの皆様の理想を叶えるアロマ香水が作れたら・・・。
そう、胸がときめいたと同時に、もし、天然アロマ香水をリリースするなんてことになったら。
香水業界に、再び革命を引き起こす商品となるだろうと言うことから、
今回は、アロマ香水の歴史をお伝えしながら、”世の中の香水事情”をお伝えしていきたいと思います。
目次
アロマの歴史
アロマテラピーは、1920年代にフランスの化学者『ルネ・モーリス・ガットフォセ』が手に火傷を負った際、とっさにラベンダーに手を浸し、火傷を治したことから、アロマテラピー(芳香療法)という名前がついたのがきっかけとなり広まった代替療法です。
アロマテラピーという言葉は、この頃になって初めて誕生した訳ですが、アロマの歴史は、もっと昔から存在します。
エジプト神話に登場する太陽神ラー
紀元前3000年頃、エジプトでは、魂は香煙に乗って天国に導かれると信じられていました。
エジプト神話の太陽神ラーは、朝(黄金虫)・昼(ハヤブサ)・夜(雄牛)に姿を変える神です。
太陽神ラーに捧げる香りとして、朝は、フランキンセンス、昼はミルラ、夜はキフィを炊いて死からの不安を凌いだと言われています。
エジプト神話に登場するバベルの塔は、天国へ近づくための煙(アロマ)の道を作り、死者が無事に辿り着けるように導くための建設物とも言われています。
絶世の美女クレオパトラ
『クレオパトラの鼻があと1センチ低かったら、世界の歴史は変わっていただろう』という有名な言葉が残っています。
でも、日本人は、鼻が高い女性を美女と思う傾向があるだけで、欧米人はその逆。鼻が大きい女性よりも小さい女性を美女と言うらしいのです。
もしかするとクレオパトラは美女ではなかったのでは?
では、なぜ、シーザーやアントニウスはあんなに熱烈に彼女を愛したのか。それには、彼女の香水テクニックがあるとも考えられます。
彼女は薔薇がとっても好きでした。薔薇を寝室に敷き詰め、動物性香料であるムスクやシベットなどの香りを巧みに使って、虜にしたのではないかとも言われています。
キリストの誕生
新約聖書マタイの福音書第2章に、東方の三使者が黄金(偉大な商人のシンボル)とフランキンセンス(偉大な預言者のシンボル)とミルラ(偉大な医者のシンボル)などの貢物を捧げたとあり、キリストはその中で、フランキンセンスを選んだと言われています。
天然香料でお清めしてきた文化
アロマは、フランスやイギリスで広まり、日本に上陸した代替療法です。日本人と違って、ヨーロッパは乾燥している地域なだけに、毎日お風呂に入る習慣がなく、シャワーだけで済ませる事も多いと言われています。
歴史から見ても、なかなか庶民が入浴することができない環境であったことから、
ソロモン王の時代では、ユダヤの人々が王様に会うために12ヶ月間、ミルラなどの精油を使用して体をお清めして会っていたという記述があります。
アロマ(精油)は、人々を清潔にするためのお清め的な存在でもあったんですね。
香水の聖地フランス『グラース』
フランスはヨーロッパの中でも、目立たない農業国でした。
しかし16世紀になり、アンリ2世の元へ、カトリーヌ・メディチが嫁いだことで、イタリア文化や贅沢さ、洗練さを持ち込み、ルネッサンス文化が広まったとされています。
その際に、皇帝や貴族の中で、お抱えの調香師をつけ、香水を身につける人が増えたのです。
その、お抱え調香師を集めた場所が、フランスのグラース。
フランスのグラースは、今でも天然香料の原料に恵まれた調香師の聖地と言われています。
地中海の温暖な気候に恵まれ、精油の原料となる植物の栽培に適したこの地は、古くから貴族お抱えの調香師が住んでいる街でした。フランスパリで活躍する大半の調香師は、グラースから誕生しています。
そして、天然アロマ香水の歴史は、ある香水業界を一新するある人物の登場によって、歴史がゴロっと変わっていくのです。
合成香料の登場『シャネルNO.5』
1914年、ココ・シャネルはオートクチュールでの香水販売を思いつき、フランスの調香師エルネスト・ボーに、今までの持続が少ない香水(アロマ香水)ではなく、もっと持続する香水を作って欲しいと依頼。
1919年から1920年にエルネスト・ボーにより、アルデヒド(ゴージャスで華やかなアロマの成分)を研究し、合成した人工香料が誕生。シャネルによって、合成香料を使用したシャネルNO.5が誕生したのです。
アロマ香水とは違って、複雑な香りのコントラストと持続性、低コストでの香水販売によって、シャネルは香水業界に革命を引き起こします。
そこから、現代まで、有名ブランドメーカーは合成香料での香水を発売し続けているのです。
日本に広まらない人工香水
シャネルNO.5につづき、NO.22も広く世に広まっていき、ヨーロッパ女性の心を鷲掴みにしたことで、シャネルは香水業界でも革命的な存在となり、今でも香水部門は、売り上げを維持し続けていると言われています。
そんな合成香料ですが、明治時代に日本に上陸した時、実は、人口の約8%未満にしか、使用されなかったと言われています。
現代でも、日本人に合成香料が広まらない理由として、
①会社につけていくと上司に指摘される
②食事の際に印象が悪い
③持続し続けることによってTPOが難しい
などの理由があるようです。日本人は、人目を気にする文化なのもあり、香りで強く自己を主張する行為となる危険がある合成香料を遠ざけるケースが多いようです。
アロマ香水の利点
天然アロマの香料は、フランス『グラース』での古い調香技術での作成となり、リリースするにはたくさんの壁が立ち塞がると思っています。
でも、今の現代だからこそ、アロマ香水が普及する意味があるのではないでしょうか。
天然の植物のエッセンスは、炭化水素でできています。酸素を吸って生きる私たち人間は、約2割活性酸素が作られると言われています。その活性酸素を除去し、体の中を綺麗にしてくれるのが、アロマの成分の炭化水素です。
アロマの香りには、さまざまな健康促進効果が期待されます。
血液をサラサラにしたり、老廃物を除去したり。何より、香りは脳へと伝わり、脳内神経伝達物質をダイレクトに分泌するよう働きかけるため、感情にいい影響を与えるのです。
アロマ香水がもし、たくさんの人の手元に届いたら。
会社での人間関係で悩む人、家庭で辛い思いをしている人、寂しさを抱え苦しんでいる人の心にそっと寄り添い、癒してくれるアイテムとなるのではないでしょうか。
しかも、明治時代に日本に上陸した合成香料の香水は、日本人の約8%しか使用されていないと言う事実からも、香水は化粧品に比べて日本では市場が狭いのです。
有名ブランドメーカーは、必ずと言っていいほど、人工香水を製造している。
世界で広げるのなら、人工香水でもいいかもしれない。でも、日本人に使用してもらうには、アロマ香水の方が、使用してもらう機会が多くなります。
それは、アロマ香水が、人工香水の欠点を全てクリアしているからと言えます。
①会社につけていくと上司に指摘される
アロマ香水は、合成香料よりも香りが広まりません。人が香水をつけていると感じるには、合成香料よりもたくさんつける必要があります。
会社につけて行っても、自分だけがいい香りを嗅ぐことができるアイテムとして、人の迷惑にならない可能性が高いです。
②食事の際に印象が悪い
アロマ香水は、飲食の際にも絶対に邪魔になることがありません。なぜなら、飲食の香りに負けるからです。
お寿司などを食べに行っても、風味を損なうことはまずないと言えます。
③持続し続けることによってTPOが難しい
アロマ香水の持続力は、長くて4時間から5時間です。時間が経つごとに、香りは空気中に拡散し、弱く感じられるようになるため、人目を気にして、つけれないと言うことも、まずないかと思います。
人目が気になり、自分の体につけれないのなら、カバンの中のハンカチにつけるのはいかがでしょうか。
カバンは密封しているため、空気中に、アロマの香りが拡散するのを防ぎ、香りを長い時間楽しむことができます。
カバンを開けた瞬間にアロマの香りがふわっと漂い、お化粧直しの際に持って行ったハンカチから香りがすると、気分転換にもってこいの、アイテムになります。
まとめ
物質的に豊かになり、食べるものにも困らない、着る物にも困らない時代。人の手が加わり、商用的に広がった物品ばかりで溢れかえっています。
だからこそ、天然100%で作られた心身を健康へと導く商品が必要とされる時代になったのではないでしょうか。
ココシャネルは、1920年、合成香料という、新たな試みによって、現代まで人工香水を発展させてきました。
くしくも、1920年は、ルネ・モーリス・ガットフォセがアロマテラピーという名前をつけた年。その年に、天然100%植物由来のアロマ香水は、この世から消え去ったのです。
私たち、アロマセラピストの叶えられない夢。それが天然アロマ100%の香水の誕生。
そこには、大きな壁が立ち塞がります。
らーめんプロジェクトの7つの大罪のように、アロマにも7つの壁が存在します。
ただ、私に言えるのは、アロマ香水が人々を必ず精神疾患から救う商品になるということだけ。
昨年は、コロナによって自殺者が3倍になった辛い年となってしまいました。
たくさんの人の心が癒され、救われますように・・・。
そんな希望を胸に、今私がやれる最大のことをお伝えしていきたいと思っています。
ここまで、お読みいただきましてありがとうございました。
おつーさんすごくすごく素敵な記事でした。香りの歴史も興味深かったです!アロマ香水の事はほぼ知識がなかったので、知れて良かったです。私は飲食業ですので、普段から香水をつける事は少ないのですが、アロマ香水で癒されたいと思いました。素敵なコラムをありがとうございました!!
いでっちさん!コラムお読みいただきまして嬉しい!なかなか香りの歴史までは知らないですよね!アロマ香水は飲食店でもつけていてもほとんど気にならないので、自分のために香りがつけれる時代が来るといいですね!
こちらこそ!お読みいただきましてありがとうございました!